銅は、赤褐色の色合いをしていますが、長期間大気にさらされていると緑色の皮膜ができます。これが緑青(ろくしょう)で、科学的には塩基性炭酸銅が主成分の化合物で、サビの一種です。
地球環境を守り、私たちの健康を守るために何が大切か。そうした研究が進むなかで現在見直されているのが、リサイクル性が高く、抗菌作用をもつ銅なのです。しかし銅の「緑青」や「青い水」ほど、古くから誤解されてきたものはありません。
緑青は非常に緻密な結晶状の物質で銅の表面で固く結ばれているため、お寺や神社の屋根を保護する大事な役割を担っていることは知られていましたが、昔から有毒と考えられ、厄介ものとして扱われてきたのです。
一般社団法人日本銅センターでは、この誤解を解くとともに、銅に対する正しい理解を得るために、東京大学医学部に依頼し、緑青に関する動物実験を長期(6年間)にわたって行ってきました(動物実験の内容についてはこちらをご参照下さい)。その結果、無害同様の物質であることが確認されました。
そして厚生省(現厚生労働省)もこの報告を受けて、1981年から、国の研究として動物実験に着手(研究機関:国立衛生研究所、国立公衆衛生院・東京大学医学部)。3年間にわたる研究の結果、公式見解として「無害に等しい」との認定を出したのです(実験に関する情報はこちらをご参照下さい)。