厚生省(現厚生労働省)による実験の結果

厚生省の発表に関する新聞記事 緑青の動物実験をした厚生省は、昭和59年8月に毒物・劇物取締法において(1)毒物、(2)劇物、(3)普通物の分類中、「緑青は普通物」に相当すると判定しました。緑青の毒物の程度は「現在チーズやバター、マーガリンに使用されている合成保存料(デヒドロ酢酸ナトリウム)と同様である」と報告しています。

 この結果は、NHKニュースや新聞各紙に取り上げられ、全国に向けて発信されました。しかし、厚生省の発表から24年以上が経った現在でも、緑青が毒だというイメージは完全になくなっていないのが現状です。

 鍋やヤカンに銅が使われていますが、緑青が出ても衛生上とくに問題はありません。但し、きれいに手入れしてある銅食器などは気持ちを豊かにします。緑青が出たときには落として使いましょう。

 人間と銅との付き合いは非常に長く、銅は人類がもっとも古くから利用してきた金属です。採掘や冶金(やきん)が比較的たやすく、加工も容易であったためでしょう。

 はるか昔、有史以前から、銅は装飾品や生活用品などさまざまな用途で使用されてきました。それによって古代から豊かな文化が花開いてきたことは多くの人に知られています。

 諸外国ではもちろんのこと、日本でも仏教の伝来とともに銅器物の加工技術が確立し、生活の中にも銅製品が数多く利用されてきました。銅は人類に発見されてから今日まで、文化やくらしを支え続けているのです。

 このような幾世紀にもわたる人間と銅との関わり合いは、いわば安全か危険か、有害か無害か、銅の安全性をテストするもっとも自然で確実な方法といえるでしょう。

 銅は私たちの生命や健康維持に不可欠なミネラルとして、体内で重要なはたらきをしてくれています。さらに、私たちの生活や文化を豊かに彩ってくれています。

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