酸性雨に対する銅屋根の耐久性はどうでしょうか?

ご質問

銅像や文化財に酸性雨による被害があると聞きますが、銅屋根に対する被害の実例はありますか?


お答え

 (1.酸性雨の話しを聞きますが、日本ではどうでしょうか?)でも述べたように、日本の酸性雨はpH4.5~5.8と、銅屋根の耐久性に対して問題になるほどではありません。

 国際標準化機構腐食分科会がおこなった世界48ヶ所の銅消耗調査では、東京より強い酸性雨が降る地域(=ヨーロッパの工業地帯)でも、銅に対する酸性雨の顕著な影響は認められませんでした。

 このように日本国内での通常の使用であれば、銅屋根に対する酸性雨の影響は問題ありません。

銅の消耗量調査/(世界48ヶ所:86年~89年の4年間平均 国際標準化機構腐食分科会)
東京 0.0006mm/年
硫酸濃度の高い場所(東京の3~14倍) 0.0014~0.0033mm/年
沖縄 0.0023mm/年
塩分濃度の高い場所(沖縄の2~6倍) 0.0017~0.0031mm/年

 この調査結果からも分かるように、仮に最大0.0033mm/年の消耗が起こったとしても、0.35mm厚以上の銅版であれば、60~100年以上の耐用年数があることが分かります。

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