銅は健康の保持に必要欠くべからざるものであり、動植物および人間の健康・生命に重要な役割を果たしています。
これについて元東京大学医学部教授豊川行平氏がまとめた「銅の衛生学的研究」の研究結果を要約しまとめてみました。
以上のことから銅は日常生活では無害であり、万一かなりの量の銅が人体に投与された場合でも、人体の耐性はかなり高く、また排泄も比較的に速いので安全と考えられる。
少量の銅は人体に蓄積されることなく、自然に排出される。また銅あるいはその合金と長期間にわたり接触する人々に銅に起因する職業的疾患はまったく見られない。また、人間は銅とその合金を装飾品、家具、調理器具および外科機器として、幾世紀にもわたって使用し今日に至っているが、なんらの障害をも受けていないのである。
銅はほとんど全ての土壌と植物から検出され、また実に全ての動物および人間の主要な臓器および血液中に見出される。そして銅は地球上における生命の複雑な機能にとって最も本質的な因子と考えられ、すべての植物と動物の生命の健康とその固有の機能にとって重要なものであり、もし銅が植物や動物および人間に欠如した場合には、補給をする必要がある。したがって銅は植物および動物の栄養素として、また人間の微量必須元素として重要な役割を持つものである。つまり銅は有毒であるというよりも、むしろ生命にとって必要なものであり、欠くことのできない要素の一つである。