チョコレートがもてはやされるようになったのは、チョコレートに「ポリフェノール」が含まれていることがわかったのがきっかけでした。
ポリフェノールには、がんや動脈硬化などさまざまな病気の原因といわれる活性酸素を抑えるはたらきがあるといわれています。
少し前、赤ワインに多く含まれていることがわかり、赤ワインの売上げが一気に伸びたことも記憶に新しいのですが、じつはポリフェノールが含まれる量は、赤ワインよりもチョコレートのほうがはるかに多いそうです。
ところで、チョコレートには銅が多く含まれていることをご存知ですか。カリフォルニア大学の栄養学・内科学のカール・キーン教授の報告によれば「カカオ豆」には銅が豊富に含まれており、しかも幸いなことに、多くの銅は豆がココアやチョコレートに加工されても残存する」ということです。
じつは銅は、人間などの高等動物や植物に必須な栄養元素です。もし銅の摂取が足りないと、動物は、成長が遅れたり、骨がもろくなったり、運動能力が衰えたりしてしまいます。あまり知られていませんが、銅はさまざまな食品に含まれていて、私たち人間は日常生活で知らないうちに銅を摂取しています。銅を多く含む食品には、穀類、木の実、干しぶどう、貝類、牛や豚など動物の肝臓、豆類などがあります。
アメリカ・ネブラスカ大学の栄養学者・応用栄養学者のナンシー・ベッツ氏は、「チョコレートをよく食べるアメリカ人は、銅の摂取量の約10%をチョコレートからとっている」と報告しています。チョコレートバーが好きなアメリカ人は、知らぬ間に銅も摂取していたということになります。