動物にとって銅は不可欠なものです。動物には人間も含みますが、その成長および健康のためには微量の銅が必要になります(人間の健康に必要な銅の情報はこちらをご参照ください)。
銅が不足すると、牛、羊、豚、犬、ねずみ、うさぎ、にわとりなどの多くの動物で骨格組織に異常が見られます。また、組織の発育不良から大動脈の破裂、心不全などが生じます。さらには、貧血症や生殖不能症、成長の鈍化、色素形成の不足、下痢、種々の神経病などの病気にかかったりもします。乳牛は乳の出が悪くなったり、羊は低品位の剛毛となるなど、家畜にとっては大きな問題となります。
銅の欠乏症は銅含有の飼料の使用によって克服できます。銅を家畜の飼料に添加することは、ずいぶん前から農家で行われてきたことです。
アメリカの農務省は「家畜に与える牧草中の銅濃度は6ppm以上あれば必要量を満たすことが確認されているが、このことは最大の効果を上げるための必要量をあらわしてはいない。動物の健康および成長のために必要な銅量はこれよりもはるかに高い」とコメントしています。
アメリカ・フロリダ大学の研究においては、10ppm銅を含有した飼料で育てられた豚は、22.1%も早く成長したと報告しています。この研究において、加える銅の種類は、硫酸銅、酸化銅、炭酸銅、塩化銅、銅メチオニンすべてが有効であることが証明されました。