ビールやウィスキー作りに銅は不可欠です

 ビールをつくる際、醸造に使われている仕込み釜に銅が利用されています。これは大手ビールメーカーでも地ビールメーカーでも同様で、これはもう昔からの伝統なのです。(近年ステンレスが使用されるケースもあります)

 なぜかというと、まずは銅は熱を伝えやすいから釜にいい。加工もしやすいし耐久性も高いから、醸造設備の素材としては最適な金属なのです。更に銅を使う最大の理由は銅だとビールの風味がよくなります。

 ビールの原料となる麦芽から、硫黄化合物などの悪い香りの成分が出てくるのですが、銅がこれを打ち消してくれます。また、こうした成分は熟成の妨げともなるらしいので、2つの意味で銅はビールの風味づくりに役立っています。

 ちなみに、ウィスキーについても同様のことが言えるようです。

 ウィスキーの原酒をつくる工場のことを「ディスティラリー」と呼ぶそうですが、ここにも古風というか芸術的なフォルムの、美しい銅製の蒸留釜が並びます。この蒸留釜の形もさまざまで、とくに上部全体の形状の差が品質を左右するようです。その形が、ディスティラリーの独自性、個性、伝統を、それぞれに表現しているものだそうです。

 この蒸留釜に銅を使う理由もまたビールと同じように、品質的な理由があげられます。銅は、発酵液や酵母から発生する硫黄系の物質の嫌な臭いを、ビールのときと同様に打ち消してくれます。熟成もスムーズになります。結果、風味の良い、おいしいウィスキーが出来上がるのです。

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