たこの吸出し
(町田製薬株式会社)
みなさんは「たこの吸出し」という薬を知っていますか?年配の方なら、なつかしく感じる方も多いかも知れません。昔からあるおできの薬「たこの吸出し(吸出し青膏)」は、いまも薬局で売られているロングセラー薬。ユニークな名前のとおり、パッケージにはたこの絵が描かれています。ふたを開けると、中に入っているのは濃い緑色の軟膏。ちょっと勇気がいりますが、これを化膿したおできや腫れ物に塗ると、あら不思議、自然に膿を出してくれるのです。
実は昔、この薬の成分には緑青が使われていたのです。現在では硫酸銅に代わっていますが、昔から薬としても銅は利用されているのです。実は銅と医学のかかわりは古くからあり、薬や医療器具などさまざまな形で私たちの健康を支えてきました。
漢方の有名な本草書「本草網目」には『銅で薬になるのは赤銅である』・『金と銅の合金は薬として最も秀でている』とかかれており、銅が大切な薬として扱われていたことが分かります。
漢方の使い方では、緑青は殺菌剤や止血剤などに、赤銅は風邪薬などに使われていたようです。
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