緑青の種類によって、耐食性に差がありますか?

ご質問

緑青の種類によって、耐食性に差がありますか?


お答え

 緑青にはブロッカンタイト[CuSO4-3Cu(OH)2]、アンテライト「CuSO4-2Cu(OH)2」、アタカマイト[CuCl2-3Cu(OH)2]、マラカイト[CuCO3-3Cu(OH)2]などがあります。

 この中で炭酸塩であるマラカイトは最も安定しており、銅の溶出減耗はほとんどありませんが、世界的な硫酸雰囲気のため、現在では生じません。

 ブロッカンタイトとアンテライトは共に塩基性硫酸銅ですが、より酸性側で生じるものがアンテライトで、酸性雨と関係するといわれています。また、ブロッカンタイトは世界中のほとんどの緑青の主成分であり、水にはほとんど溶けません。これが生じた場合の減耗量は0.0006mm/年程度と、非常に少なくなります。

 一方、硫酸酸性が強いとアンテライトの比率が増加し、減耗量も0.0014~0.0033mm/年程度まで増加して緑青皮膜も薄くなりますが、減耗代の絶対値は微量であり実用上の問題はありません。

 また塩分が高い場合、塩基性塩化銅であるアタカマイトが関係すると思われますが、減耗代は0.0017~0.0031mm/年で問題はありません。

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