銅管の歴史

 銅管の歴史は古く、なんと紀元前にまで遡ります。紀元前2750年ころ、エジプトのアプシルに建設された神殿には銅でつくった給水管が使われたことが伝えられています。その銅管の一部はいま、ベルリン博物館に所蔵されています。

 また、世界で初めて水道がつくられたのは、ローマ時代の紀元前300年ころといわれています。ローマ水道(アッピア水道)と呼ばれる巨大な石造りの水道は歴史的にも有名です。当時の配管には木管や鉛管が多く使われており、高級品だった銅(青銅)は水栓、ポンプ、弁などに使われていたようです。

 日本でビルや家の配管に銅管が使われたのは、1923年大阪医大附属病院で給湯用に使用されたのが初めてといわれています。水道用には、1932年に東京市水道局が、1937年に大阪市水道局が銅管を採用しました。

 その後、銅管は加工性がよく、プレハブ化などにより施工性を高められることから、多くの高層ビルの配管に採用されるようになりました。また一般の住宅やマンションでも、給水・給湯用配管、空調用配管、床暖房用配管、スプリンクラー用配管などに、幅広く使われるようになりました。

 海外では配管といえば、銅管が常識です。アメリカでは、給水・給湯用配管のほぼすべてに銅管が採用されています。

 スウェーデン、オランダ、イギリスなどのヨーロッパの国々では、給水用配管の90%前後、給湯用配管のほぼすべてが銅管です。一方、日本では給水用では少量ですが、給湯用ではほとんどの配管に銅管が使われています。


エジプト・アプシル神殿から見つかった銅管の一部

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