青い水の正体

 「浴槽の水が青くて気持ち悪いの。銅管から青い水が出てるのかしら」このような声が寄せられることがありますが、直接これらのお家に伺って、水道水をガラスコップに入れて調べると無色透明。なぜなのでしょうか。

 “浴槽の水が青く見える”その答えは海が青く見えるのと同じ原理で大部分が目の錯覚、青色の波長をもった光がたくさん反射しているからなのです。太陽の光は、実は「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」の七色の光が混ざり合っています。そのうち、赤や黄色などの光は水の中に吸収されて見えなくなってしまいます。しかし、青の光は水に吸収されずにいろいろな方向に散らばり、その光が目に入るため、青く見えるのです。

 実際に肉眼で水道水が青く見えるのは、銅イオンが少なくとも数10ppm以上。水道法に基づく水質基準では銅イオンの溶出量は1ppm以下と定められていますが、銅管を配管に使用した場合でも通常は0.2ppmを超えることはまずありません。ただし新築の家など銅管が新しいときは銅イオンが溶け出しやすいのは事実です。

 しかし、水を長時間通すことによって亜酸化銅の皮膜が形成され、銅イオンの溶出は少なくなります。

 このようになるには、通常数週間から数ヶ月かかりますが、水質によっては数年以上かかる場合もあります。

 浴槽や洗面器などの喫水部分に「銅石けん」の青い線が付着し、水道の蛇口から青い水が出ていると誤解してしまうケースが多いようです。

青い水の実験

| 戻る |

Copyright 一般社団法人日本銅センター