夏になると悩まされる蚊。
刺されるとかゆいだけでなく、最近では蚊が運ぶ感染症が恐れられています。
実験では、蚊の発生を抑えるために銅が効果を発揮することがわかりました。
まず一般的な蚊であるヒトスジシマカ(ヤブ蚊)の幼虫(ボウフラ)を銅製の容器とガラス製の容器で飼って比較したところ、銅製の容器のボウフラはすべて羽化せずに死亡。しかし、ガラス製の容器では9割が羽化して蚊になりました。
次に、ビルの地下などに一年中生息するチカイエカのボウフラを繊維のように細い銅線と一緒にガラス容器に入れたところ、やはり全滅。銅線を入れない場合は8割が羽化して蚊になりました。
実験で使った銅を入れた容器の水からは銅イオンが検出されており、銅の微量金属作用のはたらきが蚊の発育を抑えたと考えられます。ボウフラが死亡する詳しいメカニズムの解明はこれからですが、この力をより実用的に生かすため、現在は公園などで実験が続けられています。
みなさんは、墓地の周辺に蚊が多いと感じたことはないでしょうか。これは、墓地には花立てなど水が溜まる箇所が多く、この中に蚊が卵を産むからだといわれています。この対策として昔から伝えられているのが、花立ての中に10円玉を入れておくという知恵です。今は銅製の花立ても登場しています。
蚊の発生を抑えることに着眼して出来た製品
- お墓の花立て
- 街路樹の下の銅板
- 排水溝の蓋